知らぬは損!カードローン元金が減らない理由は返済額の仕組みにあり
近年はPC・スマホで簡単に申し込み・契約が出来るカードローン。
しかし、いざ利用してみると『いつまで経っても返済が終わらない』や『ちゃんと返済しているのに元金がなかなか減らない』という声をよく聞きます。
どうすればカードローンの元金が減り、そして返済が終わるのだろうとお悩みの貴方。
毎月の返済額とその内訳をちゃんと理解できていますか。
カードローンは、元金を減らす事こそ返済を早く終わらせる重要なポイントなのです。
ではどうすればカードローンの元金は減らせるのでしょうか?
ここでは消費者金融のカードローンを例に挙げ、そして私の経験談も踏まえて解り易く簡単に説明していきます。
決められた返済額、それなのにカードローンの元金が減りにくい謎
カードローンを契約する理由は大小様々ありますが、大きく言えば財布がピンチの時ですよね。
こういう時に大変便利なのが、消費者金融系のカードローン。
困った時に携帯・スマホで申し込み・契約が済ませて、早ければその日のうちに融資が受けられる。
その手軽さから利用者が最も多いカードローンです。
ただ借りた時は本当に助かったと喜んだものの…
1年後にはまだカードローンの完済が出来てなくて困っている。
何回か途中借り入れした事で完済の目途が立たない。
頑張って完済はしたものの、当初予定していた支払総額を大幅に超えてしまった。
これらは有名なカードローンあるあるです。
ではなぜこのような現象が起きてしまうのでしょうか?
まず確認して頂きたい事があります。
・どういう返済方式のカードローンか理解できていますか?
・毎月の返済額の内訳(元金・金利)は理解できていますか?
・毎月いくら返済していけば完済できるのか、計画は立てていますか?
・ATMや各カードローン会社のお客様専用ページで表示される明細書の、1番安い返済額を毎月支払っていませんか?
一般的にカードローンを利用されている方が、毎月明細書で確認する項目は…
・次回返済日
この2つの項目しか確認していないのではないでしょうか。
明細書に記載されている次回支払日・及び支払額の事を、約定返済と言います。
お客様がカードローン会社と契約を交わす際、毎月何日または何日以内に返済するのか、その時に支払う金額は最低いくらなのか等の契約を交わしています。
明細書に記載されている次回支払日とは、約定返済における最終期限日。
次回支払金額とは、約定返済における最低金額が記載されています。
『毎月明細書に書いてある金額をちゃんと決められた日までに払っている、でもなかなか完済しないんだよね』
カードローンをご利用されている方、こう悩まれている方も多いと思います。
なかなかカードローンの元金が減らない理由。
それは、お客様がご利用しているカードローン会社の返済方式にからくりがあります。
返済方式を理解する事で元金と金利の関係、及び返済回数の重要性が理解でき、お得に返済するコツが見えてきます。
ここからは消費者金融の返済方式を中心に、私が経験した事を踏まえながら解り易く丁寧に説明していきます。
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ここからは、消費者金融で主に採用されている返済方式を、解り易く簡潔に説明したいと思います。
まず初めに、カードローンでよく耳にする言葉の意味を説明しておきます。
貴方が借入れした金額の事を言います。元本と表記される事もあります。
・金利
貴方が借入れしたお金に対するお礼金の事を言います。
・利子
貴方が借入れした金額に対して支払う賃借料の事を言います。
・利息
貸した側が貸した金額に対して受け取る賃借料の事を言います。
金利・利子・利息は、まとめて金利と表現される事が一般的です。
ですので、この後は出来るだけ金利という表現で説明していきます。
それでは返済方式の説明に入ります。
大手消費者金融が採用している返済方式には、大きく分けて3つあります。
※借入れ元金に対し、一定の割合を掛け合わせた金額を毎月返済する方式です。
もう少し解り易く言えば、借入れ金額に応じて毎月の返済額が変動するという事です。
(一定の割合とは、カードローン会社が定めた、借入金に対する毎月の利息を算出する際に用いる計算式の事を指します)
※毎月の返済額が、最初の返済時の元金に応じて設定される返済方式。
もう少し解り易く言えば、最初の返済時に借入れしている金額で毎月の返済額が設定され、それ以後追加で借入れした際は、その時の元金に応じて返済額が再設定されるという事です。
※毎月の返済額が、最後に借入れした時の元金に応じて変動する返済方式。
もう少し解り易く言えば、最後に借入れした時の元金に応じて毎月の返済額が設定され、それ以後も追加で借入れした際は、その時の元金に応じて返済額が再設定されるという事です。
これらの返済方式の違いを理解した上で、消費者金融のカードローンを契約されている方、おそらくそんなにはいないと思います。
上記でも解る通り、②と③は細かい違いはありますが、大きく見ればほぼ同じ計算方式と言えます。
ここで解り易い例えを書きましょう。
最初に借りた元金10万円の時の毎月の返済額は10,000円、返済が進み元金が9万円になる頃の毎月の返済額は9,000円に下がるという事です。
(これはあくまで例えです)
ちなみにATMでの返済は1,000円単位が基本なので、返済額も1,000円単位で変動します。
③借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式の場合
最初に借りた元金10万円の時の毎月の返済額は10,000円、返済が進み元金が9万円になっても毎月の返済額が10,000円のままという事です。
(これはあくまで例えです)
以上の様に返済方式の違いは、大きく分けると2つになります。
では返済するにあたって、支払い総額に違いはあるのでしょうか?
算出してみましょう。
貸付利率18%のカードローン会社から10万円を借り入れし、毎月一定額にて10回で完済すると仮定します。
計算方式を書くとややこしくなるだけなので、ここではあえて省き支払総額だけ書きます。
② 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式の場合、10回での支払総額は108,314円。
この金額は、各返済方式を採用しているカードローン会社のHPにある、返済シミュレーションで計算した金額です。
元金に割り当てられる金額が微妙に違うので、利息に多少の金額誤差はあるものの、大きな差額にはなりません。
返済方式に多少の違いはあっても、計画的に返済していけば支払総額にさほど変わりはないという事になります。
但し、返済途中で再度の借り入れを行ったり毎月の返済額にバラつきが生じた際は、返済方式によって支払総額に差が生じます。
今回はあくまで元金を減らすという事をテーマにしていますので、返済方式の違いによる損得の話は省かせて頂きます。
ではなぜ毎月ちゃんと返済しているのに『いつまで経っても返済が終わらない』や『元金がなかなか減らなくて困っている』という声を聞くのでしょうか?
一つは上記でも書いた通り、返済と借入れを繰り返す事で元金が減らず、当初の完済予定日がどんどん延長していく為と考えられます。
そしてもう一つ。
それは毎月の支払額に原因があると考えられます。
毎月の支払額に原因?
一体どういう事なのでしょうか。
これは知ってほしい!最低返済額の甘い誘惑
カードローン会社のATMやコンビニのATMで毎月の返済する際、
“この金額以上は入金して下さい”
という、今回の支払いに必要とする最低の金額が表示されます。
この表示される最低の金額を最低返済額(ミニマムペイメント)と言います。
この最低返済額は、カードローン会社及び返済方式によって提示される金額が多少違いますが、返済が終わらないと嘆かれる方の大半が、この最低返済額を毎月支払い続けている可能性があります。
ではなぜ最低返済額では完済しにくいのでしょうか?
これからその謎解きをしていきましょう。
ではまず残高スライドリボルビング方式にて、10万円を10回に分けて返済した際のシミュレーション表を見てみましょう。
返済回数 | 返済金額 | 元金割当 | 利息割当 | 元金残高 |
1 | 11,000円 | 9,472円 | 1,528円 | 90,528円 |
2 | 11,000円 | 9,661円 | 1,339円 | 80,867円 |
3 | 11,000円 | 9,764円 | 1,236円 | 71,103円 |
4 | 11,000円 | 9,914円 | 1,086円 | 61,189円 |
5 | 11,000円 | 10,156円 | 844円 | 51,033円 |
6 | 11,000円 | 10,220円 | 780円 | 40,813円 |
7 | 11,000円 | 10,397円 | 603円 | 30,416円 |
8 | 11,000円 | 10,536円 | 464円 | 19,880円 |
9 | 11,000円 | 10,706円 | 294円 | 9,174円 |
10 | 9,314円 | 9,174円 | 140円 | 0円 |
累計 | 108,314円 | 100,000円 | 8,314円 |
上記の表でも解る通り、元金に割り当てられる金額が増える毎に、利息が減っていく事が理解できますね。
10回で返済した際の支払総額は108,314円、利息の総額は8,314円という事になります。
では次に残高スライドリボルビング方式にて、最低返済額4000円と固定した場合の返済シミュレーション表を見てみましょう。
返済回数 | 返済金額 | 元金割当 | 利息割当 | 元金残高 |
1 | 4,000円 | 2,521円 | 1,479円 | 97,479円 |
7 | 4,000円 | 2,753円 | 1,247円 | 81,550円 |
10 | 4,000円 | 2,877円 | 1,123円 | 73,044円 |
15 | 4,000円 | 3,097円 | 903円 | 58,006円 |
18 | 4,000円 | 3,236円 | 764円 | 48,439円 |
20 | 4,000円 | 3,332円 | 668円 | 41,823円 |
25 | 4,000円 | 3,586円 | 414円 | 24,406円 |
27 | 4,000円 | 3,693円 | 307円 | 17,074円 |
30 | 4,000円 | 3,860円 | 140円 | 5,663円 |
32 | 1,771円 | 1,746円 | 25円 | 0円 |
累計 | 125,771円 | 100,000円 | 25,771円 |
※最終回の返済額は1771円になります
10万円を10回払いで支払った総額が108,314円に対し、最低返済額4,000円でずっと支払い続けた時の総額は125,771円。
返済回数はなんと32回。
支払総額においても、実に17,457円もの差が生じます。
上記の表からも解る通り、最低返済額で支払い続けると、当然ですが元金の減りが遅く返済期間も長くなる。
その結果、支払い総額も増えるという事になります。
でも勘違いしてほしくない事があります。
各カードローン会社は、最低返済額で少しでもお客様から多く儲けようという考えはなく…
“今月返済が大変なのでしたら、最低○○円だけ支払って頂ければ良いですよ”
というお客様の立場になって考えた、優しさからの返済額だと思って下さい。
本当にお金がピンチの月だけその提案に乗るのか、それともその優しさに甘んじて最低額での長い返済を続けていくのか。
それは貴方次第なんです!
伝授!これがカードローンの元金を減らす重要なポイント
先の項目で最低返済額における元金と金利の内訳は、金利に割り当てられる金額が多く、元金は減りにくいという事を書きました。
では元金はどうすれば減るのでしょうか?
簡単です!ずばり、
“毎月の最低返済額に+α金額を上乗せして返済すれば良いのです”
最低返済額に+α支払われる金額は、全て元金に割り当てられます。
元金が減るという事は毎月の利息が減るという事ですから、当然支払総額も減る事になります。
また支払い返済日に関わらず、お金に余裕がある時はガンガン返済するのも有効的です。
カードローン会社や返済方式の違いにもよりますが、支払い日以外の返済は全て元金に割り当てられる事が多いので、当然利息が減り支払総額も減るという事になります。
さらにもう一つ。
それは、早期の返済段階で多くの元金を返済しておく事。
例えば貸付利率18%のカードローン会社から10万円を借り入れし、10回で完済すると仮定します。
その際、最初の返済日に最低返済額+5万円を上乗せして支払えば、10回支払いの支払い総額はいくらになるでしょうか。
借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式の場合、毎月一定額を10回で支払った際の総額は108,314円。
それに対し、最初の返済日に最低返済額+5万円を上乗せして、残り9回を毎月一定額で支払った際の総額は104,571円
支払い総額において、約4,000円弱の差が生じます。
最初の返済日に出来るだけ多くの返済額を支払えば、元金も大幅に減り、以後利息が安くなる事で元金に割り当てられる金額も多くなり、支払総額が安くなるという事になります。
あと複数のカードローンから借入れしている方なら、おまとめローンで返済するという方法もあります。
カードローンには、借入額が多いほど金利が安くなるという特徴があります。
消費者金融の場合、99万円までの金利は18%ですが、100万円以上の金利は15%に安くなるというのが一般的です。
複数ある消費者金融の元金を一つにまとめるという事は、一社での借入額が多くなる事で金利が減り、毎月の返済額を安く抑えられるというメリットがあります。
但しデメリットもちゃんとあります。
まず複数ある借入額の総額が100万円以下の場合、金利は変わらないのでメリットが無いという点。
次に各カードローン会社、おまとめローンの審査基準は非常に高く、審査が通りにくいという点。
そして金利が下がった事に安心してしまい、毎月最低返済額でしか支払わなくなるケースが多いという点。
毎月の支払いが最低返済額では、支払う総額が多くなる事は上記でも説明した通りです。
おまとめローンを利用する際は、まとめたほうがメリットが多いのかデメリットが多いのか、その見極めが肝心と言えるでしょう。
以上紹介した方法を上手く活用する事こそ、元金を減らす有効的な方法と言えますね。
カードローンの金利がゼロ!返済は元金のみの無利息サービス
ここまで元金が減らない理由と減らす為の対策を書きました。
しかしそんな悩みは一切無用の、支払う分は全て元金に割り当てられるという、夢のようなカードローンがあります。
それは、新規契約者限定の無利息サービス。
一部のカードローン会社では、初めてカードローンに契約をされた方を対象に、契約日の翌日から数日間は金利0円という無利息サービスを設けております。
例えると、契約日の翌日から30日間が無利息期間とした場合、この期間に支払う金額は全て元金に割り当てられるという事です。
この期間に完済すれば一切金利は発生せず、借りた金額だけを返済すれば良いという訳ですね。
当然の事ですが、無利息期間を超えた際は借入れしている元金に対しての金利が発生します。
初めてカードローンを利用される方は、給料日までの数日間で急なお金が必要になった時などに利用すると、大変便利なサービスであると言えるでしょう。
こういうお得な無利息サービスを利用する事もまた、賢く返済する重要なポイントです。
※但しカードローン会社によっては、契約時の初期費用を請求される場合があります
ご利用は計画的に!カードローンは元金を減らす事が1番大事
ここで少し私の経験談を書かせて頂きます。
私は若い頃、定率リボルビング方式と借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式の2枚のカードローンを持っていました。
カードローン契約時、返済方式の違いなど全くの無知でしたね。
両カード共に上限額は20万円で、両カードからMAXの20万円を借り入れしていました。
総額で40万円の借入れという事になります。
毎月の最低返済額が定率リボルビング方式は5,000円、借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式は10,000円とし、金利は両方共3,000円と仮定します。
定率リボルビング方式は3,000円が金利で2,000円が元金に入る事から、返済後すぐに2,000円の借入れが出来る為、実質払ったのは金利の3,000円のみ。
一方借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式は、3,000円が利息で7,000円が元金に入る事から、返済後すぐに7,000円の借入れが出来る為、実質払ったのは金利の3,000円のみ。
計画的に返済した時同様、返済と借入れを繰り返している間も、それほど利息に大差は出ないという事です。
『毎月の返済後に借入れしたりはしているけど、それでも借入れは毎月じゃない上に少額だし。じゃあ何で完済の出口がなかなか見えないんだろう?』
1年くらい経った時にこう思い、一念発起でカードローンの元金を減らす為の勉強をしました。
その勉強の甲斐あって、総額40万円の元金を半年で完済する事が出来ました。
完済出来た一番の要因は、やはり緻密な返済計画を立てた事にあります。
どういう返済計画を立てたかというと、冬のボーナスで約28万円の臨時収入がありました。
このボーナスを半分の14万円に分け、2つのカードローンの12月最低返済額に上乗せして返済。
仮に12月の最低返済額を10,000円と仮定すると、総額で15万円支払った事になります。
あとは上記の項目でも書いた通りです。
元金が20万円から6万円に減る為、今まで毎月支払っていた最低返済額10,000円の内訳は約8割が元金に割り当てられる事になり、結果半年程度で無理なく完済出来た訳です。
私のケースは冬のボーナスという臨時収入があり、その臨時収入を軸に返済計画を立てました。
ただボーナス等の臨時収入に拘らなくても良いと思います。
例えば残業手当などで通常より給料が3万円多かった時や、休日出勤をした事で給料が通常より2万円多かった時など、そういう普段より給料が多かった時に元金を支払うという計画性を持っていれば、おのずとカードローンの返済は早期終了します。
そして毎月の返済額を確認する事も大事ですが、それ以上に今の支払い金額のペースで返済すると、総額いくら支払う事になるのかを常に確認しておく事が大事です。
当然の事ですが、支払い総額が安く済んだほうが嬉しいですよね。
消費者金融のテレビCMで、必ずご利用は計画的にというワードが出てきます。
何気なく聞き流されている方が多いと思いますが、実はこの言葉こそ元金を減らす大事なキーワードなのです。
ただやみくもに毎月の支払いを繰り返すだけでは、返済はなかなか終わらないのが現実ですからね。
それでは最後にまとめましょう。
① 返済と借入れを繰り返す事で、完済期日が延々と延びている
② 最低返済額での返済を続けている
③ 毎月の支払い日と返済額だけを確認し、元金残高を確認していない
④ 現在の支払いペースで、総額でいくら支払えば完済するのか把握していない
① 毎月最低返済額に+α上乗せして支払う
② 支払い返済日に関わらず、財布に余裕がある時はガンガン返済する
③ 早期の段階で多くの元金を返済しておく事
④ おまとめローンを利用して金利を下げる(但しデメリットもあるので要注意)
⑤ カードローンの金利がゼロの、新規契約者限定の無利息サービスを利用する
カードローンの元金を減らすキーワード。
“ご返済は計画的に”