カードローンの名義人が死亡したら、どんな手続きをとればいいの?
家族が亡くなって、遺品を整理していたらカードローンの返済の途中だったことが発覚!借金のことなんて、生前は一言も言ってなかったのに…。自分の借金じゃないから大丈夫よね?
それは大きな勘違いです。借金の名義人が亡くなったら、しかるべき手続きをしないと、その返済、そのままあなたがかぶることになります!カードローンの名義人が亡くなったら、どう対処すればいいのか?ここでしっかり説明しますので、後で気付いて後悔しないようにしてください
相続するのは遺産だけではない!借金の返済も相続する!
家族が亡くなって、お葬式が終わっても遺族がやることは山のようにあります。とくに遺産の相続は家族がもめる原因にもなるので、手続きは慎重に行う必要があります。
やっかいなのは、故人がカードローンの返済など負債を残していた場合です。住宅ローンは契約と同時に団体信用保険に入っていることが多いので、名義人が死亡すれば遺族が支払いを引き継ぐ必要はありません。
しかし、カードローンやフリーローンなどの無担保ローンの返済は相続の対象になります。
クレジットカードの支払いや、携帯電話のような分割払いも相続の対象となるので注意が必要です。
カードローンの名義人が死亡したとき、遺族がとるべき手続きとは
とはいえ、このような不の遺産も黙って受け取らなくてはならないというわけではありません。きちんと手続きをすれば、負債の相続を放棄することは可能です。
遺産相続には次の3つがあります。
2.限定承認
3.相続放棄
1は、財産も負債も区別なく相続する方法です。2は相続する遺産の金額内で負債も相続する方法です。例えば、故人が500万円の遺産と1,000万円の負債を残した場合、500万円を相続すると同時に、負債500万円は免除となります。3の相続放棄は遺産、負債関係なく、どちらも放棄することになります。
どの相続方法がいいのかは、ケースバイケースです。あきらかに負債の方が多い場合は相続放棄してしまったほうが懸命ですが、相続額が負債を上回る場合は単純承認でもかまわないでしょう。
一番手続きが煩雑なのは、限定承認といわれています。
相続人全員が手続きを行わなくてはいけませんし、3ヶ月以内に故人の遺産と負債の額を証明しなければならないので、個人で手続きするのは困難です。
遺産相続は、3カ月以内に手続きをしなければ、そのまま負債も受け継ぐことになりますから、どちらにしろ調査は速やかに行いましょう。
死亡した家族の負債を調べる方法とは?どこに相談すればいいの?
財務状況を調べる場合は、故人の預金通帳や郵便物を徹底的に調べる必要があります。通帳に公共料以外に毎月のように引き落とされている金額がないか見てみましょう。金銭に関わる契約書のような書類がないかも探してみましょう。
カードローンやクレジットカードの利用状況は、すべて信用情報に記載されています。
相続人は情報の開示を請求する権利があります。信用情報に返済途中のカードローンがあったら相続の対象となりますので、すみやかに手続きをしましょう。
信用情報は金融機関によって管轄が違います。
機関名 | 加盟金融機関と記載内容 |
---|---|
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融の借入状況 |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジット会社の利用状況 |
一般社団法人全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター) | 銀行の借入状況 |
JICCとCICはインターネット、郵送、窓口で申請ができます。全国銀行個人信用情報センターは郵送のみの受付です。
負債の状況が把握できたら、すみやかに弁護士に相談して、どの相続方法をとるのか決めましょう。
信用情報の開示や、相続の書類の準備はかなり時間がかかります。
3カ月では足りないくらいかもしれません。
弁護士事務所によっては、故人の財務調査や相続手続きを一括してすべて任せられる場合もあります。面倒に巻き込まれたくないという人で、手数料が折り合えば任せてしまってもいいのかも知れません。
手数料は20万円くらいからで、内容によって金額は変わります。
故人の借金が発覚したら、一日もはやく相続人全員で話し合って対処してください。3カ月を過ぎて気付いても、手遅れですよ!
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