一般向けカードローンは事業性資金に利用できない?利用目的に注意!
一般向けのカードローンと言うのは何にでも利用できて大変便利と考えられていますが、制限がない訳ではなく、ほとんどのカードローンの場合、事業向けの資金としての利用は禁じられています。
しかし、カードローンは必要な時に融資の利用ができるので事業でも利用したいと考える人も多いと思います。
そういう場合には、事業者向けのカードローンを用意している金融機関も有るのでそういったものの利用を考えましょう。
特に法人化していない個人事業主の場合、生活資金と事業資金が明確に区別されていない部分が有るので、借入れしたお金の使い道には十分注意しなければなりません。
事業を行おうという場合には明確に区別することが必要です。
カードローンは何にでも利用できる?事業性資金は例外なので要注意!
カードローンと言えば普通消費者向けのものを指します。一般的にはこのカードローンはどんな目的にも利用できるお金を借りることができると認識されています。しかしこれは間違いです。
そこで一度カードローンの説明資料をよく読んでみましょう。パンフレットでも良いですしホームページでも構いません。そこには必ず利用目的の記載が有って、事業性資金への利用はできない事になっています。
ただし、ごく少数ではありますが、事業性資金に利用しても構わないとしている場合もあるので、事業性資金への利用も考えているのであれば、申込みの前に必ず、その点について確認しておきましょう。
カードローンで借りたお金は何にでも利用できる?
カードローンの人気は、お金の使い道を問われないということも大きく影響していると考えられます。
誰でも借りたお金の使い道についてあまり気にせず利用できますから、ローンとしては大変使い勝手が良いものになっています。
これが原因で借りたお金がいつの間にかどこかに消えてしまったというようなこともあるので、その辺がカードローンの問題と言えるかもしれません。
ただし実際にはカードローンで借りたお金を何にでも利用できるというのは間違いです。
場合によっては利用してはいけない場合もあるので、利用にあたってはその点にも注意しなければなりません。
説明資料では事業性資金には利用できない事になっている
そこで一度カードローンの説明資料をよく読んでみましょう。パンフレットやホームページの記載で構いません。利用目的の部分にはなんて書いてあるでしょうか。
大きな文字の部分は利用目的を問わないとなっている筈ですが、その付近に小さい文字で但し書きが入っている筈です。
表現が違うかもしれませんが、事業性資金は除くと描かれている筈です。
つまり、カードローンの場合、基本的には何にでも利用してかまいませんが、事業性資金には利用できないということです。
金融機関の融資には多くき分けると次の2種類があります。
- 一般向け融資(消費者向け融資)
- 事業者向け融資
このため生活資金として利用する場合には一般向け融資を利用し、事業関連のお金を借りる場合には事業者向け融資を利用することになる訳です。
これをよく理解していない場合、特に法人化していない個人事業主などは生活資金と事業性資金が明確に区別されていない場合もあるため、借りたお金を事業の回転資金に利用してしまうことが有ります。
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ごく少数のカードローンでは事業資金に利用できる例もある
ただし、多くのカードローンの中には事業資金にも利用可能としているものが有ります。
そういったカードローンであれば、個人事業者が事業の回転資金に利用してしまったとしても、問題は有りません。どうしても生活資金と事業性資金が分けられないのであればそういったものを探しましょう。
しかしはっきり言えば、そんな生活資金なのか事業資金なのか分からないようになっていること自体が大きな問題ですから、まずはそういったおかしな点を改善しておくべきでしょう。
商売をしているわけですから、事業の見通しをよくするためにもすぐに対処してください。
本文では事業性資金の話をしていますが、このほかにもカードローンの説明資料には重要なことが、いろいろと書かれているので、面倒かもしれませんが、利用する際には端から端までよく読んでおきましょう。
事業性資金に利用したい!事業者向けのカードローンと言うものがある
事業者というのは、運転資金などが足りず、お金を借りたいという場合はよくあるもので、本来そういう時に利用するのは、消費者向けのローンではなく事業者向けのローンということになります。
事業者向けのローンは銀行や事業者向けの貸金業者などが提供していますが、こういった事業者向けローンの中にはカードローンのような利用ができるものもあります。
これを契約しておけば困ったときにも改めて金融機関と交渉する必要が無く大変便利で、しかも消費者向けのように総量規制で上限が制約されるということもありません。
事業性資金を借りる場合には事業者向けローンというものがある
しかし、そうはいっても事業者は、事業の回転資金として、借入れしたいと考えることはよくあることです。
こういう場合に利用することになるのが事業者向けローンというものです。
もちろん法人化している大きなところは当然知っていて、運転資金が足りない場合や、新規事業の立ち上げ、研究開発などに利用しています。
これは規模の小さい個人事業でも変わることはなく、事業で何らかのお金が必要になった時には、この事業者向けローンを利用することになります。
ただし、こういった事業者向けのローンというのは、事業についての資料を作って申込みを行なければなりませんから、借りるのがちょっと面倒で特に個人事業主のような場合には簡単ではありません。
事業者向けローンにはカードローンも提供されている場合がある
ただし、調べればわかりますが、この事業者向けローンの中にもカードローンを用意している金融機関は有ります。
つまり、この場合生活資金に利用することはできませんが、事業性資金であれば利用できるカードローンということになり、やはり借りたり返したりを繰り返すことができます。
もちろん最初の申し込み時点では、事業についての資料を持っていかなければなりませんが、一度申し込んでしまえば、カードローンですから大変便利に利用できるはずです。
またこういったものは銀行だけではなく事業者向けの貸金業者もあるので、そういうものも調べてみてください。
総量規制が無いので利用しやすい
一般向けのカードローンを借りる場合、融資には法的な限度額jが有ります。これは貸金業法の総量規制と言われるもので、基本的には融資は年収の3分の1までしかできないという規定です。
ところがこの総量規制は事業性資金には適用になりません。したがって事業者向けのカードローンであれば、金融機関とのおつきあい次第では、年収による制限もなく、大きなお金を借りることも可能です。
ですから、安易に一般向けのカードローンを使おうとするのではなくて、まずは取引銀行に事業者向けのカードローンがないかどうかを調べ、有るのであれば相談してみてはいかがでしょうか。
事業資金を借りる場合には、事業計画書を金融機関に持っていく必要があります。特に資金計画については十分に検討し説得力のあるものを作ってください。そうしないと審査には通りません。
お金の用途に区別をつけることが必要!個人事業主は注意が必要
通常事業を行う場合法人格を取ることが多いので、自然と生活資金と事業資金は区別されることになりますが、個人で事業を行っている個人事業主の場合には、なかなかはっきりと区別がつかない場合があります。
こういった場合に借入れしたお金が生活資金や事業資金に区別なく使われてしまうことになるので、事業を営む場合には、必ず区別しておくようにしましょう。
もし現在あまりそういったことを考えずに事業を営んでいるという場合には、一度税理士さんなどに相談して、適正なお金の管理というものを行うように管理方法を見直しておきましょう。
生活資金と事業資金は区別する必要がある
事業を行う場合、法人格を取る場合があ多く、この場合には法人のほうの口座で事業資金などは管理しますから、たとえ代表者であっても自分の生活資金の口座と混ざってしまうようなことはありません。
ただし、零細な企業になってくると、代表者の個人経営という形に近くなってくるので、次で説明する個人事業主と同様の問題が発生する可能性があり、十分注意しなければなりません。
当然ですが、事業資金は帳簿をつけてしっかり管理しておくことが必要で、もし生活資金から回すようなことが有るのであれば、それも借入れとして計上してわかるようにする必要があります。
個人事業主は切り分けができていない部分が有るので要注意
また事業というのは別に法人格を取らなくても、先程から触れているように個人事業として始めることが可能で、この場合も本来であれば、事業資金を管理する口座と生活資金を管理する口座は分けるべきです。
もちろん税金の申告もしなければならない訳ですから、分けてなければ大変面倒なことになりますが、個人事業主の中にはなかなかそういうことができていない場合があります。
またさすが口座上は分けていたとしても、お金を利用する場合に事業資金を生活に流用したり、逆に生活資金を事業に流用したりということはよくあると考えられます。
このため、こういうことが続いていると一般向けのカードローンで引き出した現金を事業に利用しても特に問題ないと考えてしまうようになる可能性もあるわけです。
こんなことを続けていれば帳簿上の数字とずれが出てくる可能性も出てきます。
どうすればよいか分からない時は税理士に相談してみよう
もしこれまで、あまりそういったことを気にしてこなかったという場合には、良い機会ですからここでお金の管理方法について改善しておくべきでしょう。
個人事業を始めたあるいは始めようと考えているという人で、こういった金融関連の知識がない場合には、まずは相談できる税理士を探しましょう。
税理士であれば、事業資金の管理方法だけではなく、借入れや税金の申告などについても相談できますし、事業を行っていくうえで必要になる弁護士や弁理士などにも顔が利くはずです。
こういった自分にはない知識を、そういったブレインを使うことによって補っていくことによって、上手に事業を進めていくことができるようになるはずです。
もし借入れの目的が事業がうまくいっていない部分の補填というような場合には、やはり税理士などに相談して、将来の展望が開けないのであれば、早めに見切りをつけることも必要です。
事業者向けの場合は特に返済には注意すべき!多重債務に陥りやすい
生活資金が足りないというのも深刻なものですが、事業資金が足りないというのはかなり厳しい状況と言え、返済ができないだけではなく事業の継続も難しくなってしまいます。
こうなってしまうと、とにかく資金を用意しなければなりませんから他の業者から新たな借り入れをして、返済や事業資金に回すことになり、さらに負債が大きくなってしまいます。
こうして負債が増えれば、月々の返済の負担も増え、再度返済できなくなってしまう可能性も大きくなり、さらに借入れが必要になることも有ります。
もしこの時、新たな借り入れができなければ、多重債務者ということになり、場合によっては事業をたたんで自己破産しなければならなくなってしまうので注意が必要です。
事業者向けローンの返済が厳しくなると事業の継続が難しくなる
一般向けのカードローンでも返済できなければ問題になりますが、事業者向けカードローンでもやはり大きな問題になります。
もちろん金融機関のほうも返済してもらわなければ赤字ですから交渉次第で利息分だけの入金で元金の返済は待ってくれたりはしますが、それでも借りたものは返さなければなりません。
しかもそうした中でも事業は継続しなければなりませんから、運転資金は必要です。
しかし金融機関はもうそう簡単に貸してはくれませんから、事業には支障が出てしまうことが予想されます。
つまりお金を借りるすべはなく、事業継続は難しくなるわけです。
事業継続のためにさらに別の業者から借入れしてしまいかねない
そこでこのように窮地に陥ってしまった場合、事業継続のために誰もが考えるのが、別業者からの借り入れです。
別の業者から借入れして、借り入れへの返済と、事業の運転資金を賄えば、とりあえず、窮地からは脱せると考えるわけです。
しかし問題はこれも借入れしたお金なので返済が必要なことです。しかもこれにも利息が付きます。
それでも事業がうまく回っていけば良いのですが、そういう見込みもなくやみくもに借り入れした場合、再度返済できなくなることが予想されます。
そうなったとき、さらに別業者を探すことになりますが、そういうことを繰り返すと、徐々に怪しい業者しか貸してくれなくなっていきます。
返済できなければ多重債務者になってしまう
こうやって複数の業者から借入れして返済できなくなってしまうと、最後にはどこからも借入れすることができなくなります。
そうなると、事業の継続は困難になり、会社の場合には倒産するしかなくなりますが、個人事業主の場合には多重債務者ということになり、資産を売り払ってでも返済しなければなりません。
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ですから無謀な借り入れは行ってはいけないのです。
もし資金繰りで窮地に陥ってしまった場合には、下手に民間から借り入れると、厳しく返済を迫られることになるので、場合によっては国の機関である日本政策金融公庫の融資の利用も考えましょう。
もちろんこれも返済は必要ですが、民間よりも有利で返済しやすい条件で借り入れが可能です。
ここで消費者向けのカードローンは事業資金に利用できない件について纏めておきます。
- カードローンは原則何にでも利用できるが事業資金への利用だけはできない
- 事業資金に利用するには事業者向けカードローンというものがある
- 個人事業主の場合生活資金と事業資金をしっかり区分する必要がある
- 事業資金の借り入れは返済をしっかり行わないと事業継続が厳しくなるので要注意
事業資金は事業継続のためにはどうしても必要ですが、むやみに借りるのも問題が有ります。税理士とも相談して必要なお金なのかどうかよく検討してから、適正な借入れを利用しましょう。