カードローンの限度額が突然減った!急に減額されたその理由とは?
カードローンって大変便利ですよね。
申込みをし、審査に通れば、決められた限度額の範囲内で何度でも借り入れ・返済をしながら利用することができます。
今や多くの方が利用していると言われるカードローンですが、利用者の中には、「ある日突然カードローンの限度額が減額される通知が届いた!」なんていう経験をした方も少なくないようです。
「あぁ、そういえば滞納したことがあった」なんて身に覚えがある場合も多いようですが、中には「全く思い当たる節がないのになぜだろう」というケースもあります。
一体どうして突然カードローンの利用限度額が変更されるのでしょうか?また、一度減額された限度額は元に戻すことが可能なのでしょうか?
知っていますか?カードローンの限度額は定期的に審査されています!
カードローンを申し込んだときに、すべての方が審査を受ける事になりますよね。この審査についてはご存知の方が多いのですが、実は、審査は申し込み時の1回だけではないのです。
貸金業者は、定期的にあなたの信用情報を審査しています。
カードローンの限度額は貸金業者が決定しています!
そもそもカードローンの限度額とはいったいどのように決まるのでしょうか?
様々なカードローンのサイトを見てみると、「最高限度額800万円」や「500万円まで融資可能」などの高い金額が目につくことが多いですよね。
「500万円も借りられるの!」とびっくりするかもしれませんが、これはすべての方の限度額が500万円となるわけではありません。
あくまでも最高限度額なだけであって、実際の利用限度額は、申込者の収入・クレジット情報・希望限度額などから審査をして貸金業者側が決定しています。
そのため、いくら500万円の限度額を希望しても、貸金業者側が限度額10万円までと決定すれば10万円までの借り入れしかできないのです。
また、申し込み時に決まった限度額はずっと永久的に続くものではなく、貸金業者により適時変更される可能性があります。
これは、貸金業者が定期的にアナタの信用情報をチェックし、その情報を基に適した限度額を決定しているからなのです。
貸金業法により途上与信が義務付けられています!
カードローンを申し込む際に、必ず行うことがアナタの個人情報を信用情報機関に登録・利用する事に関しての同意です。
- 信用情報機関とは…
会員企業の顧客の信用情報を登録・管理している機関で、カードローンなどローンを利用している人の個人情報(住所・氏名・勤務先・運転免許証番号など)、クレジットヒストリー(利用しているローン、業者の名称・利用状況など)、金融事故情報、照会情報などが登録されています。
信用情報機関に登録されている情報というのは、お金の面でのアナタの信用度を示すものに他なりません。
各信用情報機関の会員となっている貸金業者は、アナタが現在どのようなローンを組んでいて、きちんと返済しているか、滞納や金融事故を起こしていないかなどを確認することができます。
この信用情報が、カードローンの申し込み審査の際に大きな影響を与えるということをご存知の方は多いのではないでしょうか。
しかし実は、この信用情報はカードローンの審査後、実際に利用する段階にあっても大きな影響を与えることになるのです。
貸金業法では、定期的に利用者の信用情報について貸金業者がチェックしなくてはならないと定められています。
これを途上与信といい、途上与信を行うタイミングは、貸金業法上では以下のようになっているのです。
条件 | 途上与信のタイミング |
---|---|
一か月の借り入れが合計5万円以上 + 借入残高が10万円以上 |
毎月 |
借入残高が10万円以上 | 3か月ごと |
法律で定められている途上与信を法定途上与信と言いますが、これとは別に、各貸金業者が任意のタイミングで途上与信を行う場合もあります。
【関連記事】
カードローンの与信枠とは?大切なのは借入できるだけの信用があるか
途上与信の結果如何では減額・借り入れ不可となることがある!
途上与信により、再びアナタの信用情報がチェックされます。
そのため、ある日突然今まで利用できていたカードローンの限度額が減額になったり、最悪の場合限度額が0円となり、これ以上借り入れ不可となる場合があるのです。
また、限度額が現在の借入額を下回っているという事態に陥る可能性も十分あり、この場合、借入額が限度額よりも少なくならない限り、追加で借入を行うことはできません。
途上与信の結果限度額が減額につながるのはどんなケース?
では、途上与信の際に、どのような状況だと限度額の減額につながってしまうのでしょうか?
はっきりとした理由はどの業者も明言していませんが、一般的には以下の2点の要因が大きいとされています。
- 借入件数・借入金額が増えた
- 他社を含めて滞納などのネガティブ情報がある
これらについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
総量規制の関係上借入件数・借入金額は限度額に大きな影響を与えます
消費者金融や、キャッシングを扱う信販会社など貸金業者は、貸金業法という法律を遵守して貸金業を営んでいます。
貸金業法は、貸金業者と顧客(消費者)との関係を健全に保つためのものであり、貸し過ぎなどを防ぐものでもあります。
その中に、総量規制という決まりがあり、これが限度額に大きな影響を与えているのです。
- 総量規制とは…
貸金業者は、顧客(個人の消費者)の年収の1/3以上の金額を融資してはいけないという規制で、これは1業者単位ではなく、すべての貸金業者の融資額の合計が1/3を超えてはいけないという決まりとなっています。
ここで、注目されるべきは、全ての貸金業者の融資金額の合計が、年収の1/3を超えてはいけないという点です。
そのため、貸金業者は、定期的に顧客の他社の借り入れ状況などをチェックし、年収の1/3を超えないように調整しなくてはいけません。
また、総量規制の範囲に到達していなくても、急に借入件数や金額が増えた…などという事態になると、途上与信の際に貸金業者側に不信感を与え限度額が減額される可能性も否定できません。
信用情報にネガティブ情報があると減額や利用停止に繋がります!
信用情報には、各種ローンのクレジットヒストリーが掲載されていて、返済状況などもバッチリ登録されています。
そのため、自分の所はきちんと返済してくれているのに、他社では延滞ばかり繰り返している、任意整理などの債務整理を行っているなどの情報も途上与信の際に貸金業者は知ることができます。
このようなネガティブ情報があると、アナタの信用度はガクンと下がることになり、「いつかうちでも滞納や債務整理されるのでは…」という不信感を与える事になるのです。
これが、結果としてカードローンの利用限度額の減額につながってしまいます。
このような事態にならないように、毎月きちんと返済していくこと大切です。
カードローンの限度額が減った!元に戻すことはできるの?
ある日突然カードローンの限度額が減額されてしまった!となると焦りますよね。場合によっては「借り入れするつもりだったのに出来なくなってしまって途方に暮れた」なんていう事態になってしまうかもしれません。
では、カードローンの限度額を減額された場合、元の限度額に戻してもらうことは可能なのでしょうか?
元の限度額に戻してもらうには増額の審査を受けるしかない!
一度カードローンの限度額を減額されてしまうと、自動的に元に戻るということは基本ありません。
そのため、こちらからアクションを起こさなくてはいけなくなります。
このアクションは、限度額の増額を申し込むことです。
限度額の増額を申し込むと、再度審査が行われます。その結果認められれば限度額が増額され、場合によっては元の限度額に戻ることも可能かもしれません。
しかし、再度審査ということはつまり信用情報をチェックするということに他なりません。
途上与信により信用情報をチェックした結果減額となっていますから、減額になってすぐに増額を申し入れても、ほぼ同じ信用情報をチェックしますので増額に繋がる可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。
増額の審査を申し込む前に、是非一度ご自分の信用情報を開示してみましょう。
現在日本には以下の3社、個人信用情報を取り扱う機関があります。
- CIC
- JICC
- 全国銀行個人信用情報センター
これらは、本人であれば有料で情報の開示請求を行うことができます。
思いもよらない所で問題が起きていたり、万が一情報の登録が間違っている…なんていう可能性もありますので、減額理由に思い当たることが無ければ開示をした方が良いでしょう。
また、もし延滞や金融事故などネガティブ情報が登録されている場合は、この情報が登録されている間はなかなか元の限度額に戻るのが難しいかもしれません。
信用情報機関に登録されている情報は一定期間保管された後破棄されますので、ネガティブ情報が破棄されてから増枠の申し込みを行ってみましょう。
使っていないカードローンなどは解約しておこう
減額された原因が、借入件数や金額であると考えられる場合、もし使っていないカードローンなどがあれば速やかに解約しましょう。
総量規制の関係もありますので、そのままにしておいても限度額を元に戻すことは難しいのです。
減額されたカードローンを今後メインに利用したい!という場合は、他の借り入れを優先的に返済し、解約してから増額を申し込んでみてください。
一度減額されると元に戻るのは至難の業です!
色々と手を尽くしたけど、限度額が減額されたまま元に戻らない…という可能性は大いにあるということは頭に入れておきましょう。
限度額が減額されるということはつまり、貸金業者がアナタのお金に関する評価が低いと判断したに他ならないのです。この評価を覆すのは一筋縄ではいかないかもしれません。
また、増枠を申し込んだとして、そのタイミングや方法によってはさらなる減額…利用停止なんていう事態を招く可能性も決して否定できないのです。
限度額を減額されるタイミングに「限度額の増額を申し込んだのに、なぜか逆に減額となってしまった」というケースは往々にしてあります。
これは、年収が下がったり、転職したりなどのアナタの勤労状況なども大いに関係してきます。
そのため、増額を申し込む際には、闇雲に申請するのではなく、きちんとご自分の状況などを照らし合わせ減額の判断が下った時よりも改善した!というタイミングにするようにしましょう。
減額にされるのにはそれなりの理由がありますから、まずはその点をきちんと把握し、改善に努めることが大切です。
増額の申し込みをしたからと言って決してすべての方の限度額が元に戻るということはないので注意してくださいね。
番外編…カードローンの限度額の減額を自ら申し入れることも可能!
さて、ここまで、カードローンの限度額が業者の判断によって突然減額された理由や、その対処法などについてご紹介してきましたが、ここでは番外編として、「ご自分が限度額を減額する」ということについてお話していきましょう。
アナタが置かれている状況によっては、自ら減額を申し入れた方がメリットが生じる可能性もありますよ。
自らカードローンの減額を申し入れることは可能です!
先ほど、カードローンの利用限度額についての決定権は貸金業者側にあるというご説明をしましたが、自らカードローンの利用限度額を減額したい!となった時は減額してもらえるのでしょうか?
結論から申しますと、カードローンの利用限度額の減額を自ら申し出て、貸金業者に減額して貰う事は可能です。
減額をしたいカードローンの業者に連絡を取り、「減額したいんですが…」と減額の旨を伝えてください。
50万円を10万円にするという減額も可能ですし、クレジットカードなどの場合はキャッシング枠自体を0円にしてもらうことも可能です。
カードローンの場合は、もう利用しないとなったら減額よりもいっそのこと解約を申し入れた方が良いかもしれません。
カードローンの限度額を自ら減額することのメリットは?
せっかく借り入れできる枠があるのに、減額するのはもったいないじゃないか!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、状況によってはカードローンの限度額を自ら減額することにもいくつかのメリットがあります。
- 住宅ローンなど他の大口ローン審査への影響を最小限にする
- カードローンの使いすぎ防止になる
- 他のカードローンを申し込む際への影響を小さくする
住宅ローンなどの大きな金額のローンを組むときに、カードローンの利用限度額が審査に影響を与えてしまう可能性は否定できません。
この場合、実際の利用状況はもちろんのこと、使っていなくても利用限度額などが影響する可能性もありますので、より確実に審査に通るために、利用していないカードローン等は解約したり、必要以上の限度額になっていないかを確認しておくと良いでしょう。
減額を申し入れると、ちょっと10万円借り入れするつもりだったのに、審査後の利用限度額が50万円だったからついつい利用して、気づけば50万円満額借り入れしてしまった…なんていう事態を予防することができます。
使いすぎてしまうと、「ちょっとだけ」という気持ちの重なりで結局キャパシティを超えた借り入れをしてしまい後々の返済が大変になったりする恐れが大いにあるのです。
限度額の減額を申し入れ、必要な金額以上借り入れできないようにすると、このような事態を予防することができます。
そして、減額をしておくと、他のカードローンの申し込みの際にもプラスに働く可能性があります。
貸金業者のカードローンを利用する場合は「総量規制」がありますので、限度額が大きすぎると他のカードローンに申し込みをしても否決となる可能性も大いにあるのです。
例えば、年収300万円の方が現在以下の所から借り入れしているとしましょう。
金利(年率) | 限度額 | 実際の借入額 | |
---|---|---|---|
A社 | 18.0% | 50万円 | 10万円 |
B社 | 18.0% | 20万円 | 10万円 |
C社 | 17.0% | 30万円 | 0万円 |
この方が、さらにお金が必要となったけど、他の業者を探してみると、金利がこの3社よりも低いD社(金利:10.0%)があったから申し込みしたい!と思った場合どうでしょうか?
既にA~C社の合計の限度額が100万円となっていますので、D社に申し込みをしても、審査に通した後、他社からも満額借入されると、総量規制を超える事態になるかもしれないと判断され、審査に通る可能性が低いと考えられます。
このような場合、A社の限度額を50万円から10万円、B社の限度額を20万円から10万円、C社は利用していないので解約するという手続きを行うと、合計限度額・実際の借入金額が20万円となり総量規制の年収の1/3(100万円)には到達しなくなります。
これにより、D社に申し込みを行ったときに審査に通る可能性がより得られるようになるのです。
もちろん、審査は限度額のみで行われるわけではありませんので、絶対に借り入れできると保証できるものではありませんが、少なくとも総量規制からは外れることになります。
このように、自らカードローンの利用限度額の減額を申し入れる事について、状況によってはいくつかのメリットが考えられます。
ただし、一度減額を申請すると、「やっぱり必要だから限度額を元に戻して」と希望しても増枠には審査が必要となりますので、注意しましょう。
現在のご自身の利用状況やライフプランなどと照らし合わせて、これを機に利用限度額について一度見直してみるのも良いのではないでしょうか?