意外に気付かない?返済回数が多ければカードローンの利息は増大する
カードローンにおいて返済は重要な項目ですが、申込時にはそこまで考える余裕がない場合が多く、実際に返済の段階になって改めて返済の大変さや負担について気付くことは少なくありません。
特に毎月の返済額ばかりに目が行くと、回数が多くなった(長期にわたってしまった)ことで予想外に利息を払っていた、なんて後で後悔することになりかねません。
もちろん違法ではないですし、貸金業者が提案した最低返済額で毎月精一杯ならば、それでも構わないでしょう。
しかし、少しでも利息の負担を減らしたいというのならば、返済回数に関しても関心を持って返済に取り組む方がいいのではないでしょうか。
意味はわかっている?カードローンの返済方法は多くはリボ払い!
カードローンを申し込み、審査を通って借り入れをした後に待っているのは、毎月の返済です。最初の段階で返済のことまで細かく考えていれば、借りた後でもスムーズに返済が行われ、速やかに完済に辿り着くことになるでしょう。
もちろん、返済しても途中途中で何度でも借り入れすれば、借金は終わる訳はないのですが、あまり後のことを細かく考えずに言われるままに契約し、返済もとりあえず最低返済額にしたのならば、延滞は起こさなくても完済までは長い道のりになる可能性があります。
それは、今は広く知られたリボルビング払いがその一因にあります。
カードローンの返済は毎月の負担が少ないリボルビング払いが基本!
よくクレジットカードの支払いであるのが、分割払いとリボルビング払いです。クレジットカードの場合は、大抵どちらかを選択することが可能です。
分割払いとは | 利用金額を何回払いにするか決めた返済方法で、利用金額や支払い回数によって毎月の返済金額が変わります。 |
---|---|
リボルビング払いとは | 毎月の支払額が一定になっている返済方法で、利用金額が大きければ返済期間が長くなります。 |
2つの違いは、簡単に言えば返済の回数が決まっているか金額が決まっているかという点です。
ただ手数料が、分割払いの場合は2回まではかからないケースが多く、かかっても商品単体にかかってくるのに対し、リボルビング払いは返済残高全体にかかります。
また、リボルビング払いが長期になることが考えられる為、比較した場合、一般的にはリボルビング払いの方が、総支払額が増えてしまう傾向があります。
カードローンの場合は、限度額内ならば何度でも借り入れが可能の為、借入額が変わってくることもあり、リボルビング払いが基本となっています。
それは、各カードローンの返済方式を見てもわかると思います。
金融機関名 (ブランド名含) |
返済方式 | 返済回数 |
---|---|---|
アコム | 定率リボルビング方式 | 1~31・51・60・89・100回 ※借入額による |
アイフル | 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式 | 1~151回 (借入直後最長14年6ヶ月) |
プロミス | 残高スライド元利定額返済方式 | 1~80回 |
(株)SMBCモビット | 借入後残高スライド元利定額返済方式 | 最長106回 (8年10ヶ月) |
レイクALSA | 残高スライドリボルビング方式 元利定額リボルビング方式 |
60回以内 |
みずほ銀行 | 残高スライド方式 | 1年ごとの自動更新 |
三井住友銀行 | 残高スライド方式 | 5年ごとの自動更新 |
りそな銀行 | 残高スライド方式 | 1年ごとの自動更新 |
商品概要等にはリボルビングという言葉が入っていないカードローンもありますが、詳細を見るとどこのカードローンも返済最低額があり、リボルビング払いだとわかります。
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【カードローンの返済方式】リボ払いのメリットとデメリットとは
残高スライドとはどういう意味か?返済方式はそれぞれ少し違う
それぞれのカードローンの返済方式にある言葉を見ると、意味がわからないことだらけかもしれません。
残高(この場合、借入残高)で毎月の返済額が変わってくる(スライドされる)方式になります。カードローンでは、借入残高によって最低返済額が決まっていることを意味します。例えば、みずほ銀行カードローンの返済額はこのようになります。
利用残高 (貸越元金への利息の組入後) |
返済金額 |
---|---|
1万円未満 | 利用残高 |
1万円~50万円以下 | 1万円 |
50万円超~100万円以下 | 2万円 |
100万円超 | 利用残高が50万円増すごとに1万円を追加 |
※利用限度額が200万円未満の場合
※金額は前月10日のタイミングで計算される為、前月10日の段階での金額になります。
プロミスなどの借入後残高スライド…とありますが、これは借入直後の金額で返済額が決まり、残高が減っても追加借入がなければ返済額はずっと変わらないなど、カードローンによって少しずつ違います。
元利定額や定率などの言葉も難しいですが、簡単に言えばこのように違います。
元金 | 利息分が返済額に含まれない。 |
---|---|
元利 | 利息分が返済額に含まれる。 |
定額 | 金額が決まっていること。 |
定率 | 残高に対する割合が決まっている。 この割合で計算されて金額が決まってきます。 |
これらが組み合わさって返済額が計算されることになります。
例えば、「借入後残高スライド元利定額リボルビング方式」の場合は、返済額に利息が含まれた状態(元金+利息)で、最終借入後の金額で返済額が決まり、それが毎月の返済額になると言うことになります。
当然、定額や定率の数字は、それぞれのカードローンによって違いがある為、同じ借入額だろうと最低返済額もそれぞれで違います。
実際には商品概要にある回数で返済が終わらないこともある!
一つ一つを理解しないとややこしく感じるカードローンの返済額の方式ですが、簡単に言えば多くの場合、借りた金額によって決まった返済額を毎月返済するのですが、その中には利息が含まれています。(利息があるのは当たり前ですが)
そしてカードローンは、融資限度額内ならば何度でも借り入れが可能となっている特徴があります。ということは、追加で借り入れをすれば、当然借入残高が増えます。銀行カードローンの場合は回数と言う形では出ていませんが、実際には上記で示した返済回数で完済するとは限らないと言えます。
最低返済額は負担が少ないが利息もかなり払うことになりかねない!
毎月の返済額が少額で延滞なく返済が進めば、とりあえず安心と考えるかもしれません。
しかし、実際に返済回数が多ければ、その分、利息を多く払うことになるとは意外に気付いていない人もいます。なんとなく、たくさん払っているなと思っている場合でも、金額にしてみるとどれぐらい利息を払っているのかを知らない人もいるでしょう。
とあるカードローンのシミレーションを使って比較してみましたが、これだけ変わります。
借入額30万円 金利18.0%の場合。
1回の返済額 | 利息総額 | 返済総額 | |
---|---|---|---|
12回 | 27,503円 | 30,044円 | 330,044円 |
36回 | 11,000円 | 88,683円 | 388,683円 |
この場合、単純に借りて返すだけなのですが、カードローンは追加借り入れができる分、追加借り入れをすれば返済が延びることになります。借りれば借りただけ利息はつくのもまた当然ですが、利息の負担を減らしたいならば、それなりに上手く返済を行わないといけません。
忘れてはいけない!わかりにくいが利息は毎回支払っている
そもそも利息と言うものは、だからこそわかりにくいと言えるかもしれませんが先の説明でもわかりように、返済額に含まれています。「毎回」必ず返済額に含まれています。
実際にどれぐらい利息が含まれているのかを知りたい場合は、計算するとわかると思います。利息の出し方はこのようになっています。
カードローンの商品概要にある金利は、年率になっています。毎月の返済額に利息を見つけるには、日割り計算をしなくてはいけません。その為一旦365日で割ります。その後、借入期間として、前回の返済の日から次の返済の日までの日数を掛けます。
例えば、借入残高が10万円として金利が18.0%で次回の返済が35日後とします。その場合の利息はこのようになります。
利息1,726円
その時の返済額が5,000円の場合。
元金返済分3,274円・利息分1,726円
次回返済時での元金が100,000-3,274=96,726
元金96,726円になります。
次回(35日後)の返済利息は、96,726×0.18÷365×35=1,670
利息1,670円 (返済額5,000円のうち、元金分は3,330円)
このように、なっていきます。
返済はじめの方が返済額の中に含まれる利息の割合が大きいのも、1回目と2回目で利息額が変わることでわかると思います。
利息を減らしたいならば随時返済で返済を短く(回数を減らす)する!
利息は、なるべく少なくしたいと誰もが思うはずです。ならば、どうするかと言えば、今までの説明で一目瞭然だと思います。
利息を少なくしたければ、返済回数をなるべく少なくする。
これにつきます。それこそ、1回で完済できれば、一番利息が少なくすみます。
しかし実際には、生活するにはお金が必要な為、そうそう返済額を大きくすることも難しいかもしれません。
利息を少なくしたいならば途中で繰上げ返済を行う! 随時返済とは
できれば、返済回数が減るように返済額を多めにできればいいのですが、生活もある為、そうそうに多額のお金を返済に回すことができるとは限りません。
では、他に方法がないのかと言えば、他にも方法はあります。
- 随時(任意)返済を行う
- 借入日数を減らす
- 最低返済額で返済しない
- 金利の低いカードローンにかえる
(増額申請で金利を下げる)
この中で一番効果がありそうなのが、随時返済でしょうか。
( )で任意返済とありますが、毎月(または、一定サイクル)での返済を「約定返済」と言うのですが、これとは別に約定返済とは別のタイミングで任意で返済をすることを随時返済と言います。繰上返済とも言いますが、その方が意味がわかりやすいかもしれません。
随時返済は、返済額が全て元金にあてられます。可能ならば一括返済できるのが一番なのでしょうが、多少なりとも随時返済をすれば元金を減らすのにかなり貢献でき、次の約定返済の利息もその分減ることになります。
ただし、随時返済にも注意が必要です。
- 随時返済を行っても、その月の約定返済もある。
- 随時返済を行うことによって生活が苦しくなっては意味がない。
随時返済をしたことで、他にしわ寄せがあっては意味がありません。できれば、随時返済は、臨時収入があった時や生活費に余裕があった時などに行うのが安心です。
少しでもできることはやった方が利息が減ることに繋がる!
他にも借入日数を減らすというのは、カードローンによっては、35日サイクルと月1回のどちらかを選択する商品もあります。なるべく日数が少ない方が1回の利息も少なく済みますし、その方が返済が早く終わるというものです。
また上記で説明したようにカードローンの最低返済額は、かなり少額になっています。
返済回数を減らすのと同様ですが、そうそう大きな金額を返済額に充てることができない場合でも、最低返済額での返済はなるべく避けた方が少しでも利息軽減に繋がります。
大きな額でなくとも、可能ならば1,000円でも2,000円でも最低返済額よりは多めに返済額を増やすことをオススメします。
また、これはやり方によっては逆に利息を増やしたり、審査に落ちて困ることにも繋がりかねませんが、増額や借り換えの方法です。
よくあるのが多重債務を整理する為に借り換えると言うものですが、それと同じことで、借り換えることによって金利を下げ、利息を減らすことも可能です。
借り換えではなくとも、ある程度利用しているとその実績により増額が可能となります。増額によっては金利が下がることもあり、それが利息を減らすことにも繋がります。
ただし、どちらも審査があるということと、必ずしも金利が下がる保証がないという点があります。デメリットがある為、必ずしもオススメできる方法ではありませんが、一案としてはありかもしれません。
カードローンの返済の基本を知っておくことが利息を減らす近道になる
何かとカードローンは審査や金利、借りられる限度額の方に目がいってしまうものですが、実際には返済の額や回数も利息に大きく影響を与える為、重要です。
特に返済回数が多ければその分利息が増えてしまうのは一見してわかりにくいので、気付かなかったり予想外だった、なんてことがあります。
返済の方式など難しいところまでの理解はできなくとも、ある程度の基本的なことや、返済回数が少ない方が利息は少なく済むことだけでも知っておくと、かなり違うのではないでしょうか。